Motoki's帳面

考えを整理して置いておく場所です。

ゆっくりと他人に戻っていくということ

昔、どこかで「離婚する前は、ゆっくりと他人に戻っていく感覚だった」という言葉を聞いたことがあります。

僕は、一度彼女と家族になりました。

家族になると言っても、それは単に役所へ紙切れを提出しただけです。しかし、それだけなのに、「これからは一生彼女と一緒に入れる」という安心感や安堵感は、彼女を家族と思えるきっかけになったと思います。

僕が「これからは一生彼女と一緒に入れる」という思いから、安心感や安堵感を感じたのは、おそらく人一倍「孤独」だったらからだと思います。孤独の中で、彼女が一生一緒にいてくれる約束をしてくれたおかげで、「孤独」からくる「不安」が和らいだのだと思います。

とにかく、そうして「家族」となった彼女と、「他人」に戻るということが、受け入れられなかったから、離婚届を取りに行けないのだと思います。

しかし、覚めた考え方をしますと、

僕が彼女を「家族」と思っていましたが、それは僕だけなのかもしれません。

なぜなら、彼女と過ごした時間は、とても「家族」の時間という感じではありませんでした。楽しいこともありましたが、喧嘩ばかりの日々でもありました。家族と過ごす時間って、自分が一番リラックスできる時間でありたいと思っていますが、彼女と過ごした時間に、リラックスはあまりありませんでした。彼女だけが悪いのではなく、二人の相性の問題だったのだと思います。

だから、僕が離婚届を取りに行けないのは、「彼女と他人に戻っていくことが受け入れられないから」ではなく、「再び一人になることが耐えられないから」であり、そもそも「彼女といる時も幸せではなかった(ひとりぼっちだった)」のかも知れません。100パセーントそうだったとは思いませんが、彼女こそが僕の家族だと思ってる僕の想いは幻想なのかもしれません。

伊田広行さんの著書「シングル単位の恋愛・家族論」では、結婚という制度に頼らなくても、本質的にお互いを思いやる関係を作る(事実婚状態を指していると思います)ことで、幸せになれるという考えを展開しています。その持論に対して下記の質疑応答を著書の中でされており、これが印象に残りましたのでご紹介します。

(質問)結婚は、お互いが老いていくことを認め合い、見つめ合っていく素晴らしいものではないか。 

 

(回答)(中略)その上、この質問者には、ある種の前提が置かれているように感じる。それは、「老いていく」ということを「認める、見つめ合う」という言い方の中に、「老いることへの恐怖感」が前提としてあるように見えるということである。特に女性にとって「若さ、美しさ」が大事と思っている人ほど、それが減退していくことに恐怖を感じ、だからこそ、結婚が、「この人とは一生連れそう、つまりこの人は私から離れていかない、私が老いて美しくなくなっていっても私を愛し続けてくれる」という「保証」を与えてくれると認識して、上記のような質問表現になっているように思える。

 だが、それは第一に結婚というものに過剰に思い入れをしており、第二に「老い」への誤った認識に依拠している。事実として、恋愛感情のない夫婦、不倫、家庭内離婚夫婦などがある。離婚がある。つまり結婚したからといって絶対的に相手が離れていかない保証などないのである。また、「老いること」を積極的に受け入れる考えを持つことと、結婚することは何の関係もない。したがって、若さや美しさでしか相手を引き付けられないという感覚を問い直すことが必要なのであって、そこを問い直さずに、結婚という形によって「保証」を得ようとすることは、実は、無意識のうちに 「恋愛感情のない夫婦」を認めているか、あるいは、「結婚さえすれば、相手はとにかく私を愛し続けてくれる」と決めつけている(単なる願望にすぎない)思考停止状態、幻想依存状態に陥っているのかどちらかにすぎない。

 

 

 

質問者の言っている「老い」の部分が、僕の場合「空気が読めないこと」であったり、「人間関係の構築が苦手であること」であったりします。その部分があるから、自分は相手を引き付けられないと思っています。それを隠して、彼女と結婚しました。そして、「結婚さえすれば、相手はとにかく私を愛し続けてくれる」と決めつけている(単なる願望にすぎない)思考停止状態、幻想依存状態に陥っていたのかもしれません。

 

僕はこれから

①「空気が読めないこと」であったり、「人間関係の構築が苦手」な性格であっても、他に良いところがあるから、人を惹きつけられると思うほど、自分に自信を持つ必要があります。

②とはいえ、人から引かれるのも良くないので、アスペの治療をして、社会性を高める必要があります。

③「結婚さえすれば、相手はとにかく私を愛し続けてくれる」と決めつけている(単なる願望にすぎない)思考停止状態をやめて、結婚とは何なのか、自分はどんな女性とどんな結婚生活を送りたいのかを整理する必要があります。

この3つを成し遂げたいです。

何度も言っていることですが、小さな成功体験を重ね、自信をもち、仲間を見つけ、孤独を克服する必要があります。

したがって、僕が離婚届を取りに行けないのは、この取り組みを、僕の人生をかけてやっていく覚悟が足りないからなのでしょう。

僕は幸せになりたいです。

それならば、彼女や結婚や家族という制度に対して抱いている幻想を捨てて、ありのままの自分で、もう一度やり直す必要があります。

幻想は幻想、真実の喜びは、弱さを乗り越えた先にあるのだと思います。

「彼女とは、すでに他人なのです。」

それを受けいれます。